第32回金曲奨候補発表 日本人音楽家の参加作も複数ノミネート

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第32回金曲奨候補発表(写真提供:中央社)

台湾の権威ある音楽賞「ゴールデン・メロディー・アワード」(金曲奨)の今年のノミネートリストが5月12日発表された。最多ノミネートとなったのは、台湾語女性歌手ツァオ・ヤーウェン(曹雅雯)の「自本」と台湾原住民(先住民)プユマ族出身の歌手サンプーイ(桑布伊)の「得力量」。共に8部門で候補となった。日本の音楽家が参加した作品も複数ノミネートされた。授賞式は6月26日に台北市の台北アリーナで開催される。

金曲奨は台湾文化部影視・流行音楽産業局の主催で毎年開かれ、今年で第32回目を迎える。今年はアルバム・EP1499枚、計2万1349作品の応募があった。前回よりアルバムが151枚、作品が1888件増加した。

台北市内で開かれた発表記者会見でタイガー・チョン(鍾成虎)審査員長は、注目を集める華語男・女歌手賞の選考について「非常に長い時間をかけて話し合い、投票を行った」と話し、激戦だったと説明。どの歌手にも個性や特色があり、3回以上の投票を経て候補者が決まったと明かした。

日本人の音楽家では、ギタリストの大竹研やベーシストの早川徹、ドラマーの福島紀明らがメンバーとして参加する「生祥楽隊」が「野蓮出庄」でバンド賞にノミネートされた。また、音楽プロデューサーの荒井十一はカレン・モク(莫文蔚)らが歌う「自洽」で楽曲プロデューサー賞の候補に選ばれた。ボーカルレコーディングアルバム賞にノミネートされたクー・ミンシュン(柯泯薰)の「画話」には、音楽家の笛岡俊哉が主要レコーディングエンジニアなどとして参加している。

文化部の李静慧政務次長は「新型コロナウイルス禍の中でも創作活動に励んでいる台湾の音楽産業や音楽家のおかげで、台湾は華人の流行音楽界を引っ張っていく地位につくことができている」と述べ、謝意を示した。また、台湾で新型コロナの国内感染が拡大しているのを受け、文化部影視・流行音楽産業局の徐宜君局長は「感染拡大防止を最優先とし、状況の変化によっては授賞式をオンラインやその他の形式での開催に変更する可能性がある」と明らかにした。変更する場合にはできるだけ早く発表すると説明した。