【台湾ニュース】安倍元首相逝去一周年 蔡総統「台湾の人々が最も親しみ感じる首相」

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蔡英文総統、安倍元首相にメッセージ(写真:中央社)

蔡英文総統は安倍晋三元首相の一周忌を迎えた7月8日にSNSを更新し『台湾有事はすなわち日本有事』と言明していた安倍元首相を「台湾の人々が最も懐かしさと親しみを感じる日本の首相です」とした上で「台湾のために多大な貢献をされ、私は改めて感謝申し上げます」とつづった。

東京増上寺における安倍元首相の一周忌

また「安倍元首相は『自由で開かれたインド太平洋戦略』という外交構想を提唱し、多くの国がこれに賛同・追随しました」と讃え「台湾と日本の人々の深みのある交流を促進し、安全保障、経済、観光などの分野で台日関係に大きな進展をもたらしました」と述懐した。

与党・民進党、日台友好の推進で安倍氏を評価

頼清徳副総統も同日、自らのSNSを更新し「私たちはこれからも、安倍元首相が台日関係に多大な貢献をされ、自由と民主主義を守るために揺るぎない決意を示したことに感謝し続けます」とつづった。

与党民進党の国際事務部の謝佩芬主任は報道資料を通じ「安倍氏は台日関係の重要な基礎を築くことに一生をかけ、台湾の環太平洋経済連携協定(TPP)加入や世界保健機関(WHO)など国際機関への参加に身をていして支持してくれた。終始台湾と共にあり、台湾人に感謝の意を抱かせた」とコメントした    。

日本台湾交流協会「言葉をかけてくださる多くの台湾の方々に感謝」

日本台湾交流協会、SNSを更新して台湾人に感謝(写真:日本台湾交流協会)

日本の対台湾窓口機関の日本台湾交流協会も同日にSNSを更新し「ちょうど一年前のあの日、突如飛び込んできたニュースを目にしたときの衝撃は今も忘れることができません」とした上で「しかし、あの時に台湾の皆さんが寄せてくださった心からのお悔やみの気持ちは、それ以上に私たちを驚かせました」と、当時台湾人の反応を語った。

同協会台北事務所の泉裕泰代表は「私たちはこうした心の温かい人たちと共にお互いの関係を強くしていきたいと改めて思うのです」と述べ、日台関係の強化に意欲を示した。

謝長廷駐日代表「『台湾有事は日本有事』は多くの人の共通認識」

台湾の対日本窓口機関の台北駐日経済文化処の謝長廷駐日代表は同7日、東京都内でメディアの取材に応じ「台湾有事は日本有事」という考え方について「日本政府が吹聴したものではなく、近年多くの人が抱いている共通認識だ」との見方を示した。

謝氏のこの発言に対して、中国外交担当トップの王毅共産党政治局員は同6日、中国を訪問していた河野洋平元衆院議長と会談した際「台湾有事は日本有事と言い立てるのはでたらめであり危険なことだ」と見解した。

これに呼応して謝氏は「中国の対台湾政策は最近になり『武力行使を辞さない』と態度を急変させ、これこそ世界を緊張させた原因だ」と語った。